宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第六章 身のまわりの生活史

第二節 食生活

三 ハレの食事

(二)折節のカワリモノ

 甘酒は、秋の収穫を感謝して作られるものである。ハツグンチには、東粂原、西粂原、百間、姫宮などでおびしゃと称する収穫祝いの行事があり、このときには甘酒が奉納される。また、和戸沖の山では一一月三日に甘酒祭りが行われ、かつてはこの日を目安に麦播きを終了させた。甘酒祭りは、終戦直後の食料難時代こそ一時途絶えたものの現在も続けられており、前日には年番制の当番がヤド(宿)に集まって甘酒を仕込む(6-28)。仕込むことを「甘酒をカク(掻く)」といい、平成一一年の手順は次のようであった。
 ①一袋二〇〇グラムの糀を、粳米四升に対して一二袋用意する。戦前までは、三斗樽で二、三本もの甘酒を仕込み、当時は蒸した粳米にタネ(菌)を振って糀を作った。終戦後は、幸手市や岩槻市の糀屋から購入するようになり、現在ではスーパーマーケットから購入している。
 ②電気炊飯器数台で、四升のご飯を炊く。古くは、庭に炉を築いて大釜を掛け、薪をくべてご飯を炊いた。
 ③ご飯をコネバチや寿司桶にあけてシャモジで広げ、団扇であおいで人肌程度に冷ます。
 ④糀をほぐしてご飯に混ぜ、人肌程度に冷ました湯で延べる。
 ⑤湯で延べたものを七〇リットルのポリ樽に入れ、シャモジで掻き回しながら七分目くらいにまで湯を足す。
 ⑥カンマシボウで全体を掻き回す。「甘酒はカンマス(掻き回す)のが商売」といい、掻き回すのを怠ると熱が上がり過ぎて糀が死んでしまう。そこで、数人が交替しながら休まず掻き回す。

6-28 甘酒作り

 ⑦全体が馴染んだところで、塩を二つまみ入れる。これによって甘みが増す。塩を入れたら、さらに二時間くらい掻き回し続け、全体が滑らかになったら、そのあとはときどき掻き回しながら一晩発酵させる。すると、翌朝には甘酒ができあがる。
 ⑧午前九時の太鼓を合図に、沖の山天神社へ甘酒を運ぶ。