宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第六章 身のまわりの生活史

第二節 食生活

三 ハレの食事

(二)折節のカワリモノ

 一〇月九日をハツグンチ、一九日をナカグンチ、二九日をシメグンチあるいはシマイノクンチといい、ナカグンチの一九日にはお日待ちが行われた。また、この日は百間小学校と須賀小学校の運動会でもある。
 お日待の前日にはアンビンを作って重箱に詰め、招待かたがた親戚へ届けた。お日待は、地域によってハツグンチやシメグンチ、あるいはナカグンチに近い一五日に行われるところもあるので、親戚同士が互いにアンビン持参で招きあったものである。また、嫁は実家のお日待ちにはアンビンを手土産に里帰りをするのが習わしであった。
 アンビンは小豆のあん入り餅で、小豆あんは塩あんにすることが多かった。また、塩あんと甘いあんの二色を作る家もあり、その場合は塩あんの生地を白くし、甘いあんの生地を食紅で赤く染めた。塩あんのアンビンは、硬くなると焼いて砂糖醤油をつけたり油で揚げて食べた。また、味噌汁に入れることもあったという。
 前日の晩には招かれた親戚が集まり、夜更けまで賑やかな宴が催された。古くから、「話はお日待の晩にしろ」といわれたもので、この日の晩はご馳走を食べて酒を飲み、積もる話に花を咲かせたものである。
 宴では、てんぷら、川魚料理、けんちん汁などを肴に酒を飲んだ。また、魚屋から刺身を届けてもらう家もあり、鶏を飼う家では一羽をヒネッテ(殺して)煮物や唐揚げに調理した。川魚料理は、ナマズのてんぷらや旨煮、フナの甘露煮やダイコンとの煮付け、鯉の洗いやコイコク(鯉濃)などで、これらを作るためにお日待ちの前には方々でカイボリ(掻い堀)が行われたものである。主食は、ご飯(白米飯)を炊く家もあればうどんを打つ家もあり、五目飯、海苔や卵の巻寿司、油揚寿司(稲荷寿司)を作る家もあった。うどんの食べ方はツケシタジか煮込みで、中にはヒモカワの煮込みを作る家もあった。
 なお、稲刈りはお日待ちのあとに行われたので、お日待ちに用いる糯米や粳米は前年に収穫されたものであった。中には、お日待ちのために稲刈りを行う家もあったが、これはオイソギマイ(お急ぎ米)と呼ばれて米の蓄えがないことを意味し、恥ずかしいこととされたのである。