宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第五章 人の一生

第三節 葬送

三 葬式


5-31 葬列 昭和32年(島村氏所蔵)」

 家によっても異なるが、家長が亡くなったときにはおおむね位牌持ち(跡取り)、お膳持ち(跡取りの妻)、写真持ち(家長の子供)、シシ(隣組以外の組の男性)、棺、親族の順が多い。そのほか、花持ち(組の男性)、旗持ち(組の男性)が加わることもある。お膳持ちは枕団子、枕飯、味噌汁を故人が使っていた食器に盛り、左膳にして黒塗りの膳にのせて持っていく。棺の四隅にシシを持った人が並び、棺を守る。棺にはシシテンゲをさしかけたり、屋根のように棺において歩く。シシテングは魔除けになるという。花持ちは葬式に供えられたすべての花(輪花や生花)を寺や墓地に運ぶ。特に輪花は運ぶのが人変で、肩に六尺の長さの晒を掛けて二人がかりで運んだりもした。この晒は「もらうと長生きする」「縁起がよい」といい、褌などにした。
 参列者は皆、コンゴウヅエ(金剛杖)を持ち、いっしょに埋葬する。コンゴウヅエは竹を三〇センチメートルくらいの長さに切り、紙を巻きつけたもので、葬式の朝、組の人が作った。
 百間のある家では、棺をリヤカーなどに乗せて運ぶこともあったが、その場合、どんなに足場が悪くても、リヤカーを引いた。決して後ろから押しやることはしなかった。押しやることは「死者を追いやること」になるからである。
 須賀下のある家では、夫を亡くした妻、妻を亡くした夫は葬式には参列するが、墓地には行かないという。
「大正十四年香奠控簿」(新井家文書No.六二三一 ― 一)に見られる葬列は次のようである。
 
竜頭 生花 造花 造花 造花 輪花 座布団               香炉   竜頭
  ←                 副導師 鉢 導師 位牌 膳部 掛衣 柩 天蓋 親族 会葬人
竜頭 生花 造花 造花 造花 輪花 座布団               水    竜頭
 

5-32 葬列の順序(新井家文書No.6231)

 竜頭はシシを意味し、生花、造花、輪花が続く。柩の上には天蓋がさしかけられていることがわかる。また大正時代なので写真持ちはまだいない。なお、これは大尽(資産家)の葬列の記録である。