宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第五章 人の一生

第二節 結婚

二 祝儀

 婿の家では親戚が門に立ち、名字が書かれた弓張り提灯を提げて花嫁行列を出迎える。嫁は玄関から家に入るが、この前後にさまざまな儀式を行った。「嫁は松明とばしと称してオチョウメチョウが松明を掲げている中、仲人に菅笠をかざしてもらい、杖をつきながら家に入り、荒神様にお参りして座敷に入り、座る」というのがおおよその流れである。
 ①杖 花嫁は竹の先に半紙を巻いて麻紐でしばった杖を突きながら家に入った。これを金剛杖ともいった。これは葬式に用いる杖と同じ名前であり「ここに入って死にます」という意味がある。また、杖をつくほど年寄りになっても「末永く添うように」という意味がある。
 ②松明 豆のカラを縛ったものを二本作り、それを二か所に離して立てその間を通る。また、木の棒を藁でくるんだものに火をつけ、下を向けて足元を照らすようにしたという家もある。
 ③家の神仏参り 荒神様、セッチン様、大神宮様、仏壇など、家の神仏に参る。特に荒神様は「お嫁さんとお婿さんを世話した縁結び神様」であり、「これからお世話になるお勝手の神様」だから、一番先に参るという。
 ④笠 菅笠や蛇の目傘をさしかける。これは「あまり、上を見ず、下を向いて暮らすように」という意味や「わがまませずに、ここに居座るように」という意味がある。
 ⑤鎮守様 祝儀が始まる前に鎮守様にお参りする家と、祝儀の途中、あるいは祝儀の翌日にお参りする家がある。いずれも仲人や近所の人に連れられていった。