宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第三章 年中行事

第五節 秋から冬の行事

二 一〇月・一一月の行事

 一一月一〇日を十日夜といい、子供たちが芋殼を五、六本芯にして藁を束ね、その上を藁縄で巻いた藁鉄砲を作り、「十日夜の藁鉄砲、……」といいながら打って回った。十日夜には収穫したワラボッチの上に収穫の感謝を込めてぼた餅を供えた。
 藁鉄砲を叩きつけるときには「十日夜の藁鉄砲、……」「十日夜のマキワラ、十日夜のマキワラ、……」「大根は抜け出せ、モグラは引っ込め、……」などさまざまである。この藁鉄砲で子供たちが家の回りや庭を叩いて回った。こうすると「大根が抜け出る」「虫やモグラを追い出す」という。
 内野のある家では、一一月一〇日は十日夜である。十日夜には収穫された稲ボッチ(稲束)にあんのぼた餅を感謝を込めて供えた。また、男の子は芋殼を五~六本縄で束ねた巻き藁を作って、家の周りの地面を叩きながら歩いた。このときには「十日夜のマキワラ、十日夜のマキワラ、……」と唱える。この行事は長虫(蛇)やもぐらの退治になるという。
 辰新田のある家では、十日夜には大根がよく抜け出すようにと子供が稲束を縄で丸めた巻き稾で近所を叩いて歩いた。十日夜のことを、「十三夜には曇りあるけど、十日夜には曇りなし」という言葉がある。曇りなしとは、新米の白いご飯を上げられるという意味である。
 山崎のある家では、十日夜には芯に芋殼を入れて藁でくるみ棒にしたもので子供たちが地面を叩いた。また、ぼた餅を庭の稲束の上に供えた。
 山崎のある家では、屋敷内を藁鉄砲で打つともぐらが出ないという。このとき、供えたぼた餅を近所の若者が盗みに来た。