宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第三章 年中行事

第三節 春から夏の行事

三 五月・六月・七月の行事

 七月一日には、浅間神社で初山の行事が行われる。初山は初山参り、浅間様などといわれ、生まれて初めて七月一日を迎えた子供が浅間神社にお参りする行事である。浅間神社の多くは、静岡県富士宮市の富士山本宮浅間神社を勧請したもので小高い丘の上に祀られている。この丘は富士山を模しているもので富士塚ともいう。昔は自然の塚の頂上に神社を祀っていたが、江戸時代後期になると富士信仰の高揚により、塚を造ることが流行した。初山のお参りをすることによって、「生まれた年に富士登山をしたのと同じだ」との意味付けがされ、健康な子供に育つように祈願するために行われるものである。
 町内では山崎の赤松浅間社、辰新田の浅間神社、和戸宿の浅間神社で初山の行事が行われている。この日、母親や祖母に伴われ子供がお参りし、子供には暑い最中なので絽の着物や浴衣を着せる。そしてお参りの後、お札を受ける。また、初山の記念としてうちわをお土産に買って帰る。これを実家、仲人、親戚などに配る。辰新田周辺地区では、山崎の赤松浅間社、辰新田の浅間神社、杉戸町の河原の浅間神社の三社をお参りして回るところもあり、これをミヤマ(三山)と呼んでいる。初山には行事食として小麦まんじゅうが作られる。
 東のある家では、浅間様は初山ともいい、その年の初山までに生まれた子供を富士浅間神社にお参りに連れて行く。当家では杉戸の浅間神社にお参りに行った。浅間神社に行くと、うちわ、タンキリ飴を買ってきて、弓破魔や羽子板を祝ってもらった家に初山のお土産として配った。
 内野のある家では、浅間様にはこの一年に生まれた子供を連れてお参りに行く。これを初山といい、内野では杉戸町河原の浅間様、春日部市小渕の浅間様などにお参りに行く。初山には親元から、初山の着物が贈られる。初山に行くとうちわを買ってきて子供の名前を書き、タンキリ飴や赤飯などと一緒に親戚や近所に配った。

3-30 河原の浅間様(杉戸町)


3-31 初山(山崎 赤松浅間社)

 須賀上のある家では、身代神社や杉戸町河原の浅間様にお参りに行く。初山のお参りに行くと必ず初山のうちわを買ってきて、親元や近所に節供の祝いのお返しにお札と一緒に配る。幸手の浅間様にお参りに行くと初山のうちわと生ネギ二本とタンキリ飴を配る。浅間様の行事食として小麦まんじゅうを作る。昔は小麦まんじゅうを作るのに、現在のように蒸籠で蒸すのではなく、釜で沸騰した湯の中に小麦粉を丸めて入れて作り、ふけるとポカン、ポカンと浮き上がった。これを浅間様の浮きまんじゅうといい、田植えのときに稲苗が浮くと、「浅間様の浮きまんじゅうのようだ」という。
 辰新田では鎮守の身代神社にお参りして、次に辰新田の浅間神社にお参りし、最後に杉戸町河原の浅間神社の三か所にお参りし、お祓いを受ける。暮れや節供にお祝いを贈ってもらった親戚、近所などに「祝初山」のうちわと出世飴を配る。