宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第三章 年中行事

第一節 年中行事の概説

一 年中行事とは

 年中行事とは、家庭やイッカ・村落などの集団において正月行事や盆行事のように毎年同じ時期に繰りかえし行われる伝承行事をいう。日常の生活は毎日の労働の中にあるが、年中行事の時はハレ(晴れ)の日であり、日常の生活とは異なった食事や習慣がある。
 年中行事は稲作・畑作などの生業と深くかかわっている。例えば、小正月の繭玉団子やニワトコのハナなどの行事を予祝行事といい、これらの行事はその年の農作物の豊饒(ほうじょう)を祈願したものである。予祝行事とはこのように、一年の始めにあたって、あらかじめ作り物や所作で豊作の様子を模擬的に表現すると、そのようになるという信仰に基づく豊作祈願の方法である。
 また、年中行事には餅やうどんなどの変わり物を作って食べるが、これは本来訪れてくる神様に捧げるご馳走であった。これを神と人が相共にいただく日であった。この日を休み日としているのは、単に仕事を休んでよいというのではなく、大切な神祭りの日であるから、本来の仕事を休んでケガレを断ち、静かに慎んでいなければならなかったのである。
 なお、年中行事の記載にあたっては、サナボリや刈り上げなどの農耕儀礼についても取り上げた。内容の記述にあたっては聞きとり調査に基づき、戦前の行事を中心に掲載し、その後の変遷についても記述するように努めた。