宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 通史編

第三編 近世

第五章 江戸時代の宗教と信仰

第四節 寺社の参詣

 伊勢や熊野、富士山等の参詣を目的とした旅から戻った一行は無事に帰ったことを記念して、村の鎮守である神社に絵馬や石造物を奉納した。特に絵馬は旅に行った一行と同じ人数で描かれることが多く、伊勢の大々神楽奉納の様子や伊勢神宮の参詣、富士山や熊野那智滝を背景とした旅の一行の様子などが描かれたものが多い。絵馬の裏側には奉納した一行の名前が書かれているのが一般的である。宮代町では姫宮神社や五社神社などで確認されており、特に姫宮神社拝殿は絵馬の博物館といえるほどの奉納絵馬が見られる。
 村の鎮守である神社には絵馬以外にも多数の奉納物を見ることができる。その代表的なものが「講中」が奉納した伊勢太々講や成田講、雷電講等と刻まれた石造物である。この中には角柱型のものもあるが、狛犬や御手洗石、灯籠、石仏、みちしるべなどに刻まれたものもあり旅の安全を守った鎮守へのお礼行為として神社に奉納したようである。
 旅から戻った一行は神社への奉納の他にも行なわなければならないことがあった。それは、村人の代表として旅に行ったことから御守りや御札などを配ることである。新井家や加藤家に残されていたお札によると北は宮城県の塩釜神社、西は広島県の厳島神社のものが確認されている。御守りについては天保十二年(一八四一)の百間村折原清次郎の旅日記によると二月十六日に讃岐金毘羅山で御守り代一匁二分と箱代七三文を支払ったことが確認できる。これらのものを代参講の構成員や餞別をもらった人々に配ったのであろう。

3-137 姫宮神社絵馬 熊野詣