さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

短歌現代

 
定期券など       有楽町へ        立ちどまり       青銅の         
あやとりを       湯のたぎる       沿線に         
 
 
 

10662
定期券など 忘るることの なくてすむ たつきのあるを 知らで過ぎ来し
テイキケンナド ワスルルコトノ ナクテスム タツキノアルヲ シラデスギコシ

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.32


10663
有楽町へ 着くまで長し 独りごとを 言ひやまぬ人と 隣りあはせて
ユウラクチョウヘ ツクマデナガシ ヒトリゴトヲ イヒヤマヌヒトト トナリアハセテ

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33


10664
立ちどまり 捨てし煙草を 踏み消して 去りゆくさまの 映画めきたる
タチドマリ ステシタバコヲ フミケシテ サリユクサマノ エイガメキタル

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33


10665
青銅の 像を見をれば 胸板の つめたかりにし 夜を忘れず
セイドウノ ゾウヲミヲレバ ムナイタノ ツメタカリニシ ヨルヲワスレズ

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33


10666
あやとりを してゐし夢に たれならむ もうひとりゐし 幼な子の影
アヤトリヲ シテヰシユメニ タレナラム モウヒトリヰシ オサナゴノカゲ

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33


10667
湯のたぎる 待ちて立ちゐて いつよりか マッチを置かぬ 厨と気づく
ユノタギル マチテタチヰテ イツヨリカ マッチヲオカヌ クリヤトキヅク

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33


10668
沿線に 春闌けにけむ 勤めやめて 桐の花など 見られずなりぬ
エンセンニ ハルタケニケム ツトメヤメテ キリノハナナド ミラレズナリヌ

『短歌現代』(短歌現代社 1982.6) 第6巻6号(通巻62号) p.33