さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

埼玉風景

 
堂深く         裁ち屑を        さすらいの       鳥かごの        
その母に        春の雲の        つつがなき       
 
 
 

10533
堂深く 窓の明りに 仰ぎ来し 十一面観音は 目閉ぢても見ゆ
ドウフカク マドノアカリニ アオギコシ ジュウイチメンカンノンハ メトヂテモミユ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10534
裁ち屑を 掃き寄せをれば ひとかたに 集まるごとし われの思ひも
タチクズヲ ハキヨセヲレバ ヒトカタニ アツマルゴトシ ワレノオモヒモ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10535
さすらいの 子猫を飼ふと 決めしより すなほになれる 少女と伝ふ
サスライノ コネコヲカフト キメシヨリ スナホニナレル ショウジョトツタフ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10536
鳥かごの かたちやさしく 包まれて 運ばれゆけり 少年の手に
トリカゴノ カタチヤサシク クルマレテ ハコバレユケリ ショウネンノテニ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10537
その母に 返して胸の さびしけれ あたたかかりし みどり児の嵩
ソノハハニ カエシテムネノ サビシケレ アタタカカリシ ミドリゴノカサ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10538
春の雲の ふくらむ見れば 錯誤さへ 身に華やげる 日のありにけり
ハルノクモノ フクラムミレバ サクゴサヘ ミニハナヤゲル ヒノアリニケリ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.


10539
つつがなき 明日ある如し ほどけゆく 航跡雲も かすか茜す
ツツガナキ アスアルゴトシ ホドケユク コウセキウンモ カスカアカネス

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1983.2) p.