さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

埼玉風景

 
掃き寄せて       ルワンダの       あきらめて       きれぎれに       
すきとほる       なしがたき       方角の         
 
 
 

10519
掃き寄せて 砂のまじれる 葉を燃せば 森の匂ひを たててくすぶる
ハキヨセテ スナノマジレル ハヲモセバ モリノニオヒヲ タテテクスブル

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10520
ルワンダの コーヒー匂ふ ゐながらに たのしむことの 限界として
ルワンダノ コーヒーニオフ ヰナガラニ タノシムコトノ ゲンカイトシテ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10521
あきらめて 忘れて今は 眠らむに おもたき腕を 両脇に置く
アキラメテ ワスレテイマハ ネムラムニ オモタキウデヲ リョウワキニオク

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10522
きれぎれに なりても生きむ など思ひ 眠りしのちは ゆくへ知られず
キレギレニ ナリテモイキム ナドオモヒ ネムリシノチハ ユクヘシラレズ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10523
すきとほる ガラス見をれば 裏と表に 分れしのちの 遠き月日よ
スキトホル ガラスミヲレバ ウラトオモテニ ワカレシノチノ トオキツキヒヨ

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10524
なしがたき 旅を思へば ゆるやかに くだる煉瓦の 道など見え来
ナシガタキ タビヲオモヘバ ユルヤカニ クダルレンガノ ミチナドミエク

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.


10525
方角の なき闇のなか 昼間見し 白梅ならむ 花明りする
ホウカクノ ナキヤミノナカ ヒルマミシ シラウメナラム ハナアカリスル

『埼玉風景』(埼玉風景同人会 1981.2) p.