さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

東京しらうめ

 
きららかに       どのやうに       音のして        人の体に        
生き残る        うづくまる       人の口の        
 
 
 

09968
きららかに ついばむ鳥の 去りしあと ながくかかりて 水はしづまる
キララカニ ツイバムトリノ サリシアト ナガクカカリテ ミズハシヅマル

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09969
どのやうに 生きても一生 繭なさぬ 糸を吐きつぐ 一生もあらむ
ドノヤウニ イキテモヒトヨ マユナサヌ イトヲハキツグ ヒトヨモアラム

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09970
音のして 闇に目ざむる 驚きは 野に棲む兎も われもかはらぬ
オトノシテ ヤミニメザムル オドロキハ ノニスムウサギモ ワレモカハラヌ

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09971
人の体に 等高線を ゑがける図 見て立ちくれば 身がやはらかし
ヒトノカラダニ トウコウセンヲ ヱガケルズ ミテタチクレバ ミガヤハラカシ

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09972
生き残る ことのさびしさ かたはらに 犬の首輪も うづめてやりぬ
イキノコル コトノサビシサ カタハラニ イヌノクビワモ ウヅメテヤリヌ

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09973
うづくまる いづこもわれの 流刑地 草抜けば草の 匂ひがのぼる
ウヅクマル イヅコモワレノ リュウケイチ クサヌケバクサノ ニオヒガノボル

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.


09974
人の口の かたちなど見えて ゐたりしが 電話を切れば また雨の音
ヒトノクチノ カタチナドミエテ ヰタリシガ デンワヲキレバ マタアメノオト

『東京しらうめ』(白梅同窓会東京支部 1985.3) p.