さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

 
背を割りて       夜を渡る        糸として        まんさくの       
うつつなき       
 
 
 

09765
背を割りて 脱け出づるにも あらねども 息詰まる如し 木々騒ぐ夜は
セヲワリテ ヌケイヅルニモ アラネドモ イキツマルゴトシ キギサワグヨハ

『暗』(北九州通信 1983) 10号 p.1


09766
夜を渡る 雷のはげしさ 銅像の 馬は濡れつつ 輝きてゐむ
ヨヲワタル ライノハゲシサ ドウゾウノ ウマハヌレツツ カガヤキテヰム

『暗』(北九州通信 1983) 10号 p.1


09767
糸として かへりみるとき よぢれつつ 色を乱しし 若かりし日よ
イトトシテ カヘリミルトキ ヨヂレツツ イロヲミダシシ ワカカリシヒヨ

『暗』(北九州通信 1983) 10号 p.1


09768
まんさくの 花咲きゐたり 夢なれば 恨みがましき ことも言ひつる
マンサクノ ハナサキヰタリ ユメナレバ ウラミガマシキ コトモイヒツル

『暗』(北九州通信 1983) 10号 p.1


09769
うつつなき 思ひにゐしが 深爪の 疼く小指に 引き戻されぬ
ウツツナキ オモヒニヰシガ フカヅメノ ウズクコユビニ ヒキモドサレヌ

『暗』(北九州通信 1983) 10号 p.1