さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

毎日新聞

 
人住まぬ        回しつつ        自転車の        風船を         
夕雲を         
 
 
 

09179
人住まぬ 家の庭にも 咲きそめて 都忘れは 雑草の丈
ヒトスマヌ イエノニワニモ サキソメテ ミヤコワスレハ ザッソウノタケ

『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.


09180
回しつつ 歩む日傘の レースより こぼれてやまず 木々のみどりは
マワシツツ アユムヒガサノ レースヨリ コボレテヤマズ キギノミドリハ

『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.


09181
自転車の 輪を光らせて 過ぎゆけり 男二人の いづこまで行く
ジテンシャノ ワヲヒカラセテ スギユケリ オトコフタリノ イヅコマデユク

『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.


09182
風船を 一つづつ持つ やさしさに 昼過ぎて賑はふ デパートの前
フウセンヲ ヒトツヅツモツ ヤサシサニ ヒルスギテニギハフ デパートノマエ

『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.


09183
夕雲を 仰ぎてをれば 胸にはぜし 火花のごとき 思ひも過ぎぬ
ユウグモヲ アオギテヲレバ ムネニハゼシ ヒバナノゴトキ オモヒモスギヌ

『毎日新聞』(毎日新聞社 1982.6.26) p.