さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

読売新聞 夕刊

 
竜胆の         少女二人        不随意筋        疑はぬ         
夜の更けの       
 
 
 

09165
竜胆の 裾より花の 色錆びて 今年の秋の 彼岸も終る
リンドウノ スソヨリハナノ イロサビテ コトシノアキノ ヒガンモオワル

『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.


09166
少女二人 声を使はぬ 会話して のぼりゆきたり 落ち葉の坂を
ショウジョフタリ コエヲツカハヌ カイワシテ ノボリユキタリ オチバノサカヲ

『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.


09167
不随意筋 ばかり身に持つ ごとき日に 時間限られて なす仕事あり
フズイイスジ バカリミニモツ ゴトキヒニ ジカンカギラレテ ナスシゴトアリ

『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.


09168
疑はぬ ことの優しさ 毛糸の玉は 芯まで青と 決めて編みつつ
ウタガハヌ コトノヤサシサ ケイトノタマハ シンマデアオト キメテアミツツ

『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.


09169
夜の更けの 音はするどし 鍵をかけぬ 一夜とてなく 幾年過ぎむ
ヨノフケノ オトハスルドシ カギヲカケヌ ヒトヨトテナク イクネンスギム

『読売新聞 夕刊』(読売新聞社 1980.10.3) p.