さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

短歌四季

 
忍冬か         雪花菜と書き      ほどほどの       夕食を         
葬送の         朝々に         
 
 
 

09006
忍冬か 定家かづらか 宵闇の 顔の高さに 花の香は来る
ニントウカ テイカカヅラカ ヨイヤミノ カオノタカサニ ハナノカハクル

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5


09007
雪花菜と書き 卯の花と呼び 物の名の 優しき日なり 厨にありて
キラズトカキ ウノハナトヨビ モノノナノ ヤサシキヒナリ クリヤニアリテ

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5


09008
ほどほどの 長さに切れて 藤の花 十坪ばかりの 棚を満たせり
ホドホドノ ナガサニキレテ フジノハナ トツボバカリノ タナヲミタセリ

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5


09009
夕食を 軽くすまして 別れむか ただの人と知りて 長くつきあふ
ユウショクヲ カルクカマシテ ワカレムカ タダノヒトトシリテ ナガクツキアフ

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5


09010
葬送の 花は台より はづされて ワゴン車深く 押し込まれたり
ソウソウノ ハナハダイヨリ ハヅサレテ ワゴンシャフカク オシコマレタリ

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5


09011
朝々に 活け直しをれば 菜の花と われといつしか いのちを競ふ
アサアサニ イケナオシヲレバ ナノハナト ワレトイツシカ イノチヲキソフ

『短歌四季』(東京四季出版 1993.9) p.5