さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

短歌公論

 
何に触るるか      水の音に        荷の幾つ        降り出づる       
星屑の         
 
 
 

08963
何に触るるか 不吉なこの手 マニキユアの 乾くまで見て 手袋を嵌む
ナニニフルルカ フキツナコノテ マニキユアノ カワクマデミテ テブクロヲハム

『短歌公論』(短歌公論社 1975.8.1) 84号 p.2


08964
水の音に 消されて何も 言へざりき 言へざりしことも よろこびに似る
ミズノオトニ ケサレテナニモ イヘザリキ イヘザリシコトモ ヨロコビニニル

『短歌公論』(短歌公論社 1975.8.1) 84号 p.2


08965
荷の幾つ 殖やししのみに 帰り来ぬ 夏の落ち葉の まばらを踏みて
ニノイクツ フヤシシノミニ カエリコヌ ナツノオチバノ マバラヲフミテ

『短歌公論』(短歌公論社 1975.8.1) 84号 p.2


08966
降り出づる また雨の音 時かけて 髪梳くことも 濃き思ひゆゑ
フリイヅル マタアメノオト トキカケテ カミスクコトモ コキオモヒユヱ

『短歌公論』(短歌公論社 1975.8.1) 84号 p.2


08967
星屑の ただ湧くばかり 目を閉ぢて 作れる闇を 押しひろげつつ
ホシクズノ タダワクバカリ メヲトヂテ ツリレルヤミヲ オシヒロゲツツ

『短歌公論』(短歌公論社 1975.8.1) 84号 p.2