さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

短歌新聞

 
紫の          切々と         はかどらぬ       洗ひおきし       
硬貨一枚        
 
 
 

08841
紫の いろ濃きままに しをれたる トルコ桔梗も 捨つるほかなき
ムラサキノ イロコキママニ シヲレタル トルコキキョウモ スツルホカナキ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1975.1) p.


08842
切々と 告ぐるにたれも をらざりき 夢さへわれの うつつを越えず
セツセツト ツグルニタレモ ヲラザリキ ユメサヘワレノ ウツツヲコエズ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1975.1) p.


08843
はかどらぬ 縫ひもののあり 物欲しき 夏の終わりの くらしのなかに
ハカドラヌ ヌイモノノアリ モノホシキ ナツノオワリノ クラシノナカニ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1975.1) p.


08844
洗ひおきし 葡萄は露を 溜めてをり 死にても誰も 褒めてはくれず
アラヒオキシ ブドウノツユヲ タメテヲリ シニテモダレモ ホメテハクレズ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1975.1) p.


08845
硬貨一枚 握れるほどの こだはりと 思ひなしつつ 駅までの闇
コウカイチマイ ニギレルホドノ コダハリト オモヒナシツツ エキマデノヤミ

『短歌新聞』(短歌新聞社 1975.1) p.