さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

短歌現代

 
そのかみの       古への         両腕を         二羽の蝶        
送り火の        待ちかねて       人の性         
 
 
 

08630
そのかみの ジパングといへる 国思ふ 渚に残る 黄なる夕映え
ソノカミノ ジパングトイヘル クニオモフ ナギサニノコル キナルユウバエ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08631
古への 武具の名持てる うつぼぐさ 誰が侍女として われは果てけむ
イニシヘノ ブグノナモテル ウツボグサ タガジジョトシテ ワレハハテケム

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08632
両腕を まはすひとりの 体操を 遠く見をれば 手旗ならずや
リョウウデヲ マハスヒトリノ タイソウヲ トオクミヲレバ テバタナラズヤ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08633
二羽の蝶 まつはり飛ぶを 追ふとなく 車に引きて 花売りは来し
ニワノチョウ マツハリトブヲ オフトナク クルマニヒキテ ハナウリハコシ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08634
送り火の 灯籠はいつか ちりぢりに 漁り火の咲く 沖へ去りたり
オクリビノ トウロウハイツカ チリヂリニ イサリビノサク オキヘサリタリ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08635
待ちかねて 寝てしまふことも なかりしと 思ひ出でつつ ただ懐かしき
マチカネテ ネテシマフコトモ ナカリシト オモヒイデツツ タダナツカシキ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71


08636
人の性 また花の性 四、五輪づつ あひよりて咲く のうぜんかづら
ヒトノサガ マタハナノサガ シ、ゴリンヅツ アヒヨリテサク ノウゼンカヅラ

『短歌現代』(短歌新聞社 1990.11) 第14巻11号 p.71