さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

光たばねて

 
あやまたず       晴れ女         かかはりの       朝摘みの        
もどしたる       さかさまに       クレオパトラの     家族ぐるみ       
目の覚めむ       耳を立てて       
 
 
 

04808
あやまたず 白の子山羊が 生まれしと めづらしきことの 如く告げくる
アヤマタズ シロノコヤギガ ウマレシト メヅラシキコトノ ゴトクツゲクル

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.106
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (1)


04809
晴れ女 雨をんななど 言ひ合ひて 少女らはをり バス待ちながら
ハレオンナ アメヲンナナド イヒアヒテ ショウジョラハヲリ バスマチナガラ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.107
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (2)


04810
かかはりの あるならねども 右の手を 先立てて危ふく 走るみどりご
カカハリノ アルナラネドモ ミギノテヲ サキダテテアヤフク ハシルミドリゴ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.107
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (3)


04811
朝摘みの 蚕豆をむく わが爪は うすももいろの マニキュアのまま
アサツミノ ソラマメヲムク ワガツメハ ウスモモイロノ マニキュアノママ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.108
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (4)


04812
もどしたる 干し椎茸を 洗ひゐて 軟体はふと かなしみを呼ぶ
モドシタル ホシシイタケヲ アラヒヰテ ナンタイハフト カナシミヲヨブ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.108
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (5)


04813
さかさまに 切手は貼りて 合図する 手紙ありけり 寮生われに
サカサマニ キッテハハリテ アイズスル テガミアリケリ リョウセイワレニ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.109
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (6)


04814
クレオパトラの ことのみをよく 覚えゐて 答案に書く 女生徒をりき
クレオパトラノ コトノミヲヨク オボエヰテ トウアンニカク ジョセイトヲリキ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.109
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (7)


04815
家族ぐるみ コーン刈る見て 故里を 思ふとホーム スティの少女
カゾクグルミ コーンカルミテ フルサトヲ オモフトホーム スティノショウジョ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.110
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (8)


04816
目の覚めむ ころ炊きあがる セットして 預けおく如し われのひと夜を
メノサメム コロタキアガル セットシテ アズケオクゴトシ ワレノヒトヨヲ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.110
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (9)


04817
耳を立てて 聴く日は石にも ありといふ くぼみの水は いつの夜の雨
ミミヲタテテ キクヒハイシニモ アリトイフ クボミノミズハ イツノヨノアメ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.111
【初出】 『短歌往来』 1993.9 昔も今も (10)