さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

光たばねて

 
還りくる        六階の         外つ国の        いづこにも       
信号に         闇の夜の        欲しきもの       水たまりを       
 
 
 

04710
還りくる パーセンテージ 聞きをれば いよよ華やぐ 鮭の稚魚らは
カエリクル パーセンテージ キキヲレバ イヨヨハナヤグ サケノチギョラハ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.49
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (1)


04711
六階の 窓に見おろす 水のうへ 色をうすめて 春の雨降る
ロッカイノ マドニミオロス ミズノウヘ イロヲウスメテ ハルノアメフル

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.50
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (2)


04712
外つ国の 人の肩幅 まぎれなく 托鉢の僧に まじりて行けり
トツクニノ ヒトノカタハバ マギレナク タクハツノソウニ マジリテユケリ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.50
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (3)


04713
いづこにも 出でて行かねば 意識する 日も無くてわれは 黄色人種
イヅコニモ イデテユカネバ イシキスル ヒモナクテワレハ オウショクジンシュ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.51
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (4)


04714
信号に 停車しをれば 正面に 楕円にひらく 遠花火見ゆ
シンゴウニ テイシャシヲレバ ショウメンニ ダエンニヒラク トウバナビミユ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.51
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (5)


04715
闇の夜の カーブミラーを 一瞬に よぎりゆきたり 白の毛のもの
ヤミノヨノ カーブミラーヲ イッシュンニ ヨギリユキタリ シロノケノモノ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.52
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (6)


04716
欲しきもの そろひてしまふ 店ならむ 白く光れる 砂も売りゐて
ホシキモノ ソロヒテシマフ ミセナラム シロクヒカレル スナモウリヰテ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.52
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (7)


04717
水たまりを よけつつ歩み 来し道に 供へられたる 白菊に会ふ
ミズタマリヲ ヨケツツアユミ コシミチニ ソナヘラレタル シラギクニアフ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.53
【初出】 『文藝春秋』 1992.5 楕円の花火 (8)