さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

風の曼陀羅

 
道化師の        花と花が        遂に子に        鬼剣舞と        
船宿に         馬の埴輪・       
 
 
 

04566
道化師の 仮装のままに 行く人を 怪しまぬまで 世紀は熟れぬ
ドウケシノ カソウノママニ ユクヒトヲ アヤシマヌマデ セイキハウレヌ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.174
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (1)


04567
花と花が つながりながら 褪せゆけり わが目の前の 紅梅ひと木
ハナトハナガ ツナガリナガラ アセユケリ ワガメノマエノ コウバイヒトキ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.174
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (2)


04568
遂に子に 恵まれざりしと 書けるあり 昔の女学生の 賀状のなかに
ツイニコニ メグマレザリシト カケルアリ ムカシノジョガクセイノ ガジョウノナカニ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.175
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (3)


04569
鬼剣舞と 呼ばるる村の 獅子舞は 母のうしろに 隠れてぞ見し
オニケンバイト ヨバルルムラノ シシマイハ ハハノウシロニ カクレテゾミシ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.175
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (4)


04570
船宿に あはく軒灯 ともるころ 何しにひとり われは行きけむ
フナヤドニ アハクケントウ トモルコロ ナニシニヒトリ ワレハユキケム

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.175
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (5)


04571
馬の埴輪・ 鎧・兜と 見て来しに 櫛と笄 なまなましけれ
ウマノハニワ ヨロイカブトト ミテキシニ クシトカウガイ ナマナマシケレ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.176
【初出】 『短歌研究』 1991.3 世紀は熟れぬ (7)