さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

風の曼陀羅

 
満ち潮と        車ごと         飛ぶことの       キリシタンの      
夕まけて        
 
 
 

04390
満ち潮と ならむ気配に 波だてば 椰子の実一つ 流れ着かずや
ミチシオト ナラムケハイニ ナミダテバ ヤシノミヒトツ ナガレツカズヤ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.99
【初出】 『毎日新聞』 1989.6 鹿島灘某日 (1)


04391
車ごと 待たされをれば 押し寄する 波はしばしば 突堤を越ゆ
クルマゴト マタサレヲレバ オシヨスル ナミハシバシバ トツテイヲコユ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.99
【初出】 『毎日新聞』 1989.6 鹿島灘某日 (2)


04392
飛ぶことの なき白鳥を 見てゐたり 日傘に右の 肩を入れつつ
トブコトノ ナキハクチョウヲ ミテヰタリ ヒガサニミギノ カタヲイレツツ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.100
【初出】 『毎日新聞』 1989.6 鹿島灘某日 (3)


04393
キリシタンの 大名ありき 帆船の 大き模型を 見てゐて思ふ
キリシタンノ ダイミョウアリキ ハンセンノ オオキモケイヲ ミテヰテオモフ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.100
【初出】 『毎日新聞』 1989.6 鹿島灘某日 (4)


04394
夕まけて 帰り来つれば あぢさゐの 花芽つぶつぶ 雨に打たるる
ユウマケテ カエリキツレバ アヂサヰノ ハナメツブツブ アメニウタルル

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.100
【初出】 『毎日新聞』 1989.6 鹿島灘某日 (5)