さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

風水

 
竜胆の         少女二人        不随意筋        疑はぬ         
夜の更けの       
 
 
 

03755
竜胆の 裾より花の 色錆びて 今年の秋の 彼岸も終る
リンドウノ スソヨリハナノ イロサビテ コトシノアキノ ヒガンモオワル

『風水』(沖積舎 1986) p.187
【初出】 『讀賣新聞』 1980.1 秋の会話 (1)


03756
少女二人 声を使はぬ 会話して のぼりゆきたり 落ち葉の坂を
ショウジョフタリ コエヲツカハヌ カイワシテ ノボリユキタリ オチバノサカヲ

『風水』(沖積舎 1986) p.187
【初出】 『讀賣新聞』 1980.1 秋の会話 (2)


03757
不随意筋 ばかり身に持つ ごとき日に 時間限られて なす仕事あり
フズイキン バカリミニモツ ゴトキヒニ ジカンカギラレテ ナスシゴトアリ

『風水』(沖積舎 1986) p.188
【初出】 『讀賣新聞』 1980.1 秋の会話 (3)


03758
疑はぬ ことの優しさ 毛糸の玉は 芯まで青と 決めて編みつつ
ウタガハヌ コトノヤサシサ ケイトノタマハ シンマデアオト キメテアミツツ

『風水』(沖積舎 1986) p.188
【初出】 『讀賣新聞』 1980.1 秋の会話 (4)


03759
夜の更けの 音はするどし 鍵をかけぬ 一夜とてなく 幾年過ぎむ
ヨノフケノ オトハスルドシ カギヲカケヌ ヒトヨトテナク イクトセスギム

『風水』(沖積舎 1986) p.188
【初出】 『讀賣新聞』 1980.1 秋の会話 (5)