さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

野分の章

 
茶の湯など       一枚一枚        夢にさへ        アスワン・ダムの    
妹の          
 
 
 

03051
茶の湯など 習ひて若き 日のありき グラスの縁の 口紅を拭く
チャノユナド ナラヒテワカキ ヒノアリキ グラスノフチノ クチベニヲフク

『野分の章』(牧羊社 1978) p.108
【初出】 『短歌公論』 1977.1 春の雪 (1)


03052
一枚一枚 瓦を屋根に 置く仕事 窓をしめても 音のきこゆる
イチマイイチマイ カワラヲヤネニ オクシゴト マドヲシメテモ オトノキコユル

『野分の章』(牧羊社 1978) p.108
【初出】 『短歌公論』 1977.1 春の雪 (2)


03053
夢にさへ 何か足りない 思ひして スフレ乗せゐき ケーキの皿に
ユメニサヘ ナニカタリナイ オモヒシテ スフレノセヰキ ケーキノサラニ

『野分の章』(牧羊社 1978) p.109
【初出】 『短歌公論』 1977.1 春の雪 (3)


03054
アスワン・ダムの 貯水量など 忽ちに 忘るるものを なぜ忘れ得ぬ
アスワンダムノ チョスイリョウナド タチマチニ ワスルルモノヲ ナゼワスレエヌ

『野分の章』(牧羊社 1978) p.109
【初出】 『短歌公論』 1977.1 春の雪 (4)


03055
妹の 分も生きよと 言はれしが 墓碑をうづめて 春の雪降る
イモウトノ ブンモイキヨト イハレシガ ボヒヲウヅメテ ハルノユキフル

『野分の章』(牧羊社 1978) p.109
【初出】 『短歌公論』 1977.1 春の雪 (5)