さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

雲の地図

 
薔薇も芙蓉も      葉脈の         泉より         夜の音と        
花火焚きし       
 
 
 

02262
薔薇も芙蓉も 嵐の夜の 影となり 心ゆくまで ゆさぶられゐる
バラモフヨウモ アラシノヨルノ カゲトナリ ココロユクマデ ユサブラレヰル

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.43


02263
葉脈の くぼみにたまる 打ち水の ふと輝くは しづくするとき
ヨウミャクノ クボミニタマル ウチミズノ フトカガヤクハ シヅクスルトキ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.43


02264
泉より 醒めくる旅の 記憶にて おもだかの花は 薄きくれなゐ
イズミヨリ サメクルタビノ キオクニテ オモダカノハナハ ウスキクレナヰ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.44


02265
夜の音と 思ひてまなこ 閉ぢをれば 風吹く森も 遠くはあらず
ヨノオトト オモヒテマナコ トヂヲレバ カゼフクモリモ トオクハアラズ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.44


02266
花火焚きし あとの気になり 出でて来て ふたたび仰ぐ こよひの銀河
ハナビタキシ アトノキニナリ イデテキテ フタタビアオグ コヨヒノギンガ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.44