さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

雲の地図

 
心か何かの       耳ばかり        ゆくりなく       ものを食む       
ここにゐる       
 
 
 

02228
心か何かの やうに吹かれて どこまでも ころがる落ち葉 とどまる落ち葉
ココロカナニカノ ヤウニフカレテ ドコマデモ コロガルオチバ トドマルオチバ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.30
【初出】 『短歌公論』 1972.1 ギヤマンの花 (1)


02229
耳ばかり 鋭くなりて アカシアの うつろの莢の 鳴る夜を行けり
ミミバカリ スルドクナリテ アカシアノ ウツロノサヤノ ナルヨヲユケリ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.30
【初出】 『短歌公論』 1972.1 ギヤマンの花 (2)


02230
ゆくりなく 窓に映りて わが見しは みづからの持つ ゆきずりの顔
ユクリナク マドニウツリテ ワガミシハ ミヅカラノモツ ユキズリノカオ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.31
【初出】 『短歌公論』 1972.1 ギヤマンの花 (3)


02231
ものを食む 現し身の不意に なまぐさし 灯ともりて咲く ギヤマンの花
モノヲハム ウツシミノフイニ ナマグサシ ヒトモリテサク ギヤマンノハナ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.31
【初出】 『短歌公論』 1972.1 ギヤマンの花 (5)


02232
ここにゐる 限りは見えて 足の折れし ガラスの鹿の ふたたび立たず
ココニヰル カギリハミエテ アシノオレシ ガラスノシカノ フタタビタタズ

『雲の地図』(短歌新聞社 1975) p.31
【初出】 『短歌公論』 1972.1 ギヤマンの花 (4)