さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

無数の耳

 
しづかなる       日覆ひを        賑はひて        楡の木の        
ふくらみて       
 
 
 

01527
しづかなる 旋律をふと 聴くごとし 糸光らせて 虫の降り来る
シヅカナル センリツヲフト キクゴトシ イトヒカラセテ ムシノオリクル

『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.231


01528
日覆ひを はづせし書庫の 明るさに 花束を持つ ドガの踊り子
ヒオオヒヲ ハヅセシショコノ アカルサニ ハナタバヲモツ ドガノオドリコ

『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.231


01529
賑はひて 寂しき森の 祭りあり 立てしのぼりの はたはたと鳴る
ニギハヒテ サビシキモリノ マツリアリ タテシノボリノ ハタハタトナル

『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.232


01530
楡の木の 落ち葉は深し 夏の日に 小鳥埋めたる 土を蔽ひて
ニレノキノ オチバハフカシ ナツノヒニ コトリウメタル ツチヲオオヒテ

『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.232


01531
ふくらみて すぐしぼみしは 何ならむ 寂しき夢を 見る夜がつづく
フクラミテ スグシボミシハ ナニナラム サビシキユメヲ ミルヨガツヅク

『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.232