さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

不文の掟

 
足もとより       人が変りし       朝より         病むといふ       
転勤を         
 
 
 

00803
足もとより 崩るる思ひ 幾たびか ほめきを消さむ 手段のみして
アシモトヨリ クズルルオモヒ イクタビカ ホメキヲケサム テダテノミシテ

『不文の掟』(四季書房 1960) p.132
【初出】 『形成』 1958.2 冬木 (1)


00804
人が変りし やうなる夫と 伝ふれど 住む街の名を 問ふこともなし
ヒトガカワリシ ヤウナルツマト ツタフレド スムマチノナヲ トフコトモナシ

『不文の掟』(四季書房 1960) p.132
【初出】 『形成』 1959.10 物語り (2)


00805
朝より きざす寂しさ 繊切りの 人蔘を母の 粥にまぜゐて
アシタヨリ キザスサビシサ センギリノ ニンジンヲハハノ カユニマゼヰテ

『不文の掟』(四季書房 1960) p.133
【初出】 『形成』 1960.3 残冬抄 (8)


00806
病むといふ 噂を聴けば また惑ふ いつまでわれを 放たぬ夫か
ヤムトイフ ウワサヲキケバ マタマドフ イツマデワレヲ ハナタヌツマカ

『不文の掟』(四季書房 1960) p.133
【初出】 『形成』 1959.3 季冬のころ (2)


00807
転勤を 知らす葉書の 一枚は 日を経て届く 妻のわが手に
テンキンヲ シラスハガキノ イチマイハ ヒヲヘテトドク ツマノワガテニ

『不文の掟』(四季書房 1960) p.133
【初出】 『形成』 1959.10 物語り (4)