さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

まぼろしの椅子

 
戀さへも        毒をのみて       燃え盡きし       生くることが      
 
 
 

00451
戀さへも 虚しとありし 遺書の言葉 友失ひて幾年 つねに思ひき
コイサヘモ ムナシトアリシ イショノコトバ トモウシナヒテイクトセ ツネニオモヒキ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.177
【初出】 『朱扇』 1951.4 夢 (5)


00452
毒をのみて 逝けるかの友の 占めし位置 隙間となりて 今も殘れる
ドクヲノミテ ユケルカノトモノ シメシイチ スキマトナリテ イマモノコレル

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.177
【初出】 『朱扇』 1951.4 夢 (6)


00453
燃え盡きし いのちとも思ふ 夭死せし 友のノートの 歌寫しつつ
モエツキシ イノチトモオモフ ヨウシセシ トモノノートノ ウタウツシツツ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.178
【初出】 『朱扇』 1952.3 狭山紀行 (10)


00454
生くることが 負擔になりぬと 記しあり 死の幾日前の 友が日記ぞ
イクルコトガ フタンニナリヌト シルシアリ シノイクカマエノ トモガニッキゾ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.178
【初出】 『朱扇』 1952.3 狭山紀行 (11)