さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

全短歌(10824首)

全短歌(歌集等)

まぼろしの椅子

 
啓示の如き       かりそめの       みより少き       おもねるを       
温かき         肩細き         
 
 
 

00360
啓示の如き ものを求めて 訪ひ來しか わが前にはや さしぐむ少女
ケイジノゴトキ モノヲモトメテ トヒコシカ ワガマエニハヤ サシグムオトメ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.141
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (1)


00361
かりそめの 甘き言葉にも くづほれむ 態勢にある 汝と思へり
カリソメノ アマキコトバニモ クヅホレム タイセイニアル ナレトオモヘリ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.141
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (2)


00362
みより少き 少女が遠く 住むわれを 訪ふまでに經來し 惑ひも思ふ
ミヨリスクナキ オトメガトオク スムワレヲ トフマデニヘキシ マドヒモオモフ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.142
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (3)


00363
おもねるを 處世のすべと なす人らの 中に働く 苦しみも告ぐ
オモネルヲ ショセイノスベト ナスヒトラノ ナカニハタラク クルシミモツグ

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.142
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (4)


00364
温かき 汁などを煮て ねぎらへば そのかみの如き 笑顏も見する
アタタカキ シルナドヲニテ ネギラヘバ ソノカミノゴトキ エガオモミスル

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.142
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (5)


00365
肩細き うしろで寂し 強くなれと 諭されしのみに 少女は歸る
カタホソキ ウシロデサビシ ツヨクナレト サトサレシノミニ オトメハカエル

『まぼろしの椅子』(新典書房 1956) p.143
【初出】 『朱扇』 1953.2 訪ひ来し教え子 (6)