さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―

初期の手作り歌集等

初期の手作り歌集

『12 ひとり生きたし 歌の集』

美しきショパンに飽かずリスト曲の烈しさを愛づる日頃となりぬ
曲の名の狂想曲をさながらに湧きたつ調べひきもかねつる
何に燃ゆる心なるらむラプソデイうちならしつゝあやしまれきぬ
うち続く不協和音の超連(プレスト)調も習ひならひてひきおほせたり
吾が指もわがものならず黒白(こくびゃく)のキイ踏み狂ふ手を目(ま)守(も)りゐる
いくときを弾き続けつゝわが指(をよび)夕かたまけて疲れ果てつる
西空にさやかに三日の月あふぎピアノの部屋の雨戸をろしぬ
うら/\の小春日和に晝爛けて奈良八重桜かへり咲きしぬ
佳き日今日香りも髙き白菊をとこに活けつゝ祝ひまつりぬ