高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 民俗編

第七章 人の一生

第一節 出産

三 出産後

 出産後二一日は、「枕から離れるな」といわれ、産婦は出産した部屋から出ることを許されなかった。太陽の陽にもあたってはいけないとされた。これは、血を落ち着かせるためとか、出産後の産婦のケガレが他にうつらないようにするためといわれている。この期間は風呂にも入れず、食事も別火で作られ、食事をとるのも家族と離れて産室にこもって食べた。このような産婦の食事や洗濯の世話は、実家の母親がやってきてしてくれたという。
 二一日目はトコアゲ(床上げ)とかオビアゲといい、この日にようやく産婦が寝ていた布団が片付けられ、この日からは家事や農作業を行なうことができたり、風呂にも入ることができた。しかし、風呂は長い間風呂に入れず身体が汚れているので、家の者が全員入り終わってからようやく入ることができたという。
 しかしそうはいっても、家によっては働き手が減って困るので七日目に床上げをしてしまうという家もあり、そうでなくても出産も二人目になると病気ではないからといって、一四日過ぎる頃には家の中の仕事をし、それを過ぎると田植えなどの大変な農作業も行っていたという。