高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 民俗編

第六章 年中行事

第二節 春から夏の行事

一 農耕を間近に

 節分は、二四節気のひとつである立春の前日をいう。二四節気は、太陽暦をもとにして定められ、したがって節分は旧暦では正月元日前後の頃となることからトシコシ(年越し)ともいわれた。この日はまたマメマキ(豆まき)ともいわれるように、夕方、煎った豆をまく風習がある。
 家々では豆まきに先立ってイワシの頭を焼き、これを大豆の茎やヒイラギの枝に刺し、それを豆をまく場所の戸口などに魔除けとして飾ることが行われる。なお、イワシの頭を焼くときには、唾液をつけながら焼くと魔除けになるといわれる。
 豆をまく役は年男である(実際には一家の長があたる)。年男は風呂に入って身を清め、一升ますに入れた炒り豆を大神宮様に供えた後、家中の戸を開放し、「福は内 福は内 鬼は外 鬼は外」と唱えながら煎り豆をまく。大神宮様の後は、家によって順序はまちまちであるが、まく場所は仏壇、お釜様、家の戸口、便所、井戸、蔵、納屋などである。寺渡戸では、豆まきが終わると煎り豆を入れた福茶を飲んだという。
 なお、節分の残りの煎り豆は、初午に作るシモツカレの材料とする。