高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 民俗編

第五章 信仰

第五節 天祭と夏祭り

 高根沢町では天祭と呼ばれるが、他の地域では天念仏・天道念仏とも呼ばれる。天道すなわち太陽を祭るが、実際には太陽と月を神格化した日輪・月輪の板絵や、仏教の大日如来や十二天のうちの日天・月天が祭られる。日・月をはじめとする自然界の諸神に風雨順調・五穀豊穣を祈願する祭りである。天念仏は、春秋の彼岸に太陽を拝んだ踊り念仏だと考えられるが、仏教や神道の影響でさまざまに変化し、地域によってさまざまな形態となった。
 天念仏は、福島県から茨城県・栃木県・千葉県の関東地方東部にかけて分布している。福島県白河市では念仏踊りをともなう。栃木県でも、鹿沼市栃窪には歌念仏があり、南那須町三箇塙や小川町三輪では念仏踊りが伝えられている。栃木県の天祭・天念仏には天棚の作り方に地域差があり、県西部の山間地では天棚が見られないが、県東南部では竹で作った天棚、県北東部ではやぐら型の天棚、県中央部では彫刻屋台型の天棚が見られる。高根沢町の天棚は彫刻屋台型に含まれる。高根沢町の天祭は、昭和四〇年代に一時は中断したことがあった。しかし、現在では集落の夏祭りとして、自治公民館の行事と重ねられ、さまざまなイベントを加えて、地域の各年齢層が楽しめる夏の行事として定着している。