高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 民俗編

第二章 着物・食べ物・住い

第三節 住い

二 付属施設の利用

 広々とした平地に立地する高根沢町の農家は、冬季のカラッカゼ(空っ風)をまともに受けることとなる。このためにどこの農家でも大なり小なり風除けのための屋敷林を構えた。高根沢町では、ある程度の広がりを持つ屋敷林をウラヤマ(裏山)、生垣状のものをモガリといっている。中には一町歩以上もの広大な裏山を構える家もあり、杉や欅がこんもりと生茂る裏山は、あたかも水田の中に浮かぶ島のように遠くからでも目につく。
 屋敷内に植える樹木では、一般的に杉、竹、樫などが多いが、一方、植えてはならない樹木、植えた方がよい樹木がある。
 屋敷内に植えるのを忌む樹木では、サルスベリ、檜がある。サルスベリを忌む理由については定かでないが、檜は火の木に通じるところから火災にあいやすいといって嫌った。植えた方がよい樹木については、実質的な効果、価値を尊ぶ気風が強い。例えば竹や樫は、防火に役立つといわれている。伐採したての竹は、葉に水分を含むので火災の際に屋根にかけると延焼を食い止められるといい、樫も竹同様に年中葉が青々と繁り燃えにくいので建物の周囲に植えておくと防火に役立つという。また、杉や松は、「孫のために植えろ」といわれる。万一火災にあった際の建築材として利用できるからだという。柚子、栗、柿、梅など果実が実る「成り物」も好まれた。亀梨や上柏崎では、「柚子と日蓮宗の寺のお会式」が名物といわれるように、庭に柚子を植える家が多い。

図67 風よけの屋敷林にかこまれた富農の家(大谷)