高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 民俗編

第一章 生産生業

第二節 農業

四 葉たばこ

 五月下旬になると大麦は刈り取りの時期を迎える。畝間に植えたたばこ苗に心を配りながらの刈り取りとなる。刈り取った後の麦のカラ(根)を取るとともに野州鍬で一方だけヨセる。これをカタアゲ(片上げ)という。
 その後、五日から一週間ほどたってもう片方の土をヨセる。この頃になると、葉たばこも四〇~五〇センチメートルの高さに成長している。
 一方、台新田など葉たばこしか植えない畑では、苗を植えた後、ウネアゲ(畝上げ)を行う。立ち鍬で五~六回程度さくり畝を高くして行く。なお、葉たばこの栽培は、乾燥した畑は好まないとされるが、水はけの良いところに植えられ、畝も高くつくられた。
 土寄せの後、たばこの花が咲く頃までの間、つまり六月二〇日頃から八月の収穫の時期まで、たばこ虫と呼ばれるタバコガやヨトウムシといわれるヨトウガの幼虫を葉から拾い集める虫取りが行われる。これを怠ると葉が食われ、葉たばことして製品にならなくなってしまうからである。たばこの葉を一枚ずつ裏返し、葉に付いているたばこ虫の幼虫を取るのであるが、一般には幼虫の頭の部分をねじって殺す。しかし、慣れない若い嫁などは気持ち悪がって、手でつぶすことが出来ず、取った虫を缶に貯めて、後でまとめて捨てたという。

図46 たばこの虫取り(大谷 阿久津次大氏提供)