高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第五章 戦後改革と民主化

第三節 農地改革と農協の成立

一 第一次農地改革から第二次農地改革へ

 法案成立後、農林省は一一月六日には農地改革実施の機構を整備し農政局に農地部、都道府県にも農地部を置いて、農地改革の実施事務の中心とした。実施機関である市町村農地委員会の委員選挙は二一年一二月二二日、全国一斉に行われて、農地改革がスタートした。
 農地委員選挙への関心を高め、農地改革の内容への理解を深めてもらうため、各村では農地改革懇談会が催され、役場、農業会が共催で県農業会役員もまねかれてきた。地主、自作、小作別に農地改革二法の解説があり、選挙への協力が話し合われた。小作農の多い地域だったので、参加者も熱心に説明に聞き入っていた。熟田村農業会は一一月二二日に熟田村青年学校で「農地改革趣旨普及講演会」を行ったが、その案内の回覧板で次のように書いている。
 
  (前略)この第二次改革はどんなものか、また新しい市町村農地委員会がどんなものであるかを知っておく必要があります。今度の農業革命が、言いかえれば日本が民主化するかどうかが、委員会にかかっていると言っても過言ではありません。実に重大なものとなっています。この新しい農地改革について県当局より係官二名出張の上、左記により講演会を開催します。各戸一名ぜひご出席下さい。なお、当局は老年層の方だけでなく青年層の方達の多集と野良着のまま気易く出席されることを希望されておりますから念のため(『氏家町史』下巻・四五五頁)
 
 日本の民主化がこの農地改革、従って農地委員会の活動の如何にかかっていることや、この改革の成否が青年層の双肩に多くかかっていることなど適切に指摘している。また熟田村農民同盟や阿久津村の日農支部は講演会の開催、委員の推薦など活発に活動した。
 農地委員選挙の当選者は表6のようで、小作委員(一号層)には熟田の砂岡洸、阿久津の斉藤石見ら日農各村支部の幹部が選ばれていたが、全県的にみても農地委員には自作委員(三号層)、小作委員ともに日農組合員が多かったという。
 県の農地委員の選挙は二二年一月三一日に行われた。小作委員一〇名は全員日農組合員、自作委員四名のうち三名、地主委員六名のうち二名も日農組合員、中立委員六名のうち二名も日農県連幹部だったので農地改革の実施過程は日農主導で行われた。
 
表6 農地委員当選者
 第一号層  第二号層  第三号層 中 立
塩谷郡阿久津村
 農地委員会
雨貝義夫永倉彌之助小林君市
斎藤石見阿久津勝一渡辺幸太郎
福田菊一郎滝泉
山本午吉
山口照平
大久保栄作
塩谷郡北高根沢村
 農地委員会
斎藤一朗鈴木長寿鈴木徳
斎藤鉄男古口一郎山本齊市
加藤彌平見目清重
小森敬三
加藤弘
塩谷郡熟田村
 農地委員会
砂岡洸鈴木峯三郎菊池鬼子松
大塚留吉猪瀬市三郎村上石太郎
佐藤広治高垣ヨシノ
内藤勇
鈴木新一郎

『栃木県農地改革史』より