高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第四章 昭和恐慌と戦争の時代

第四節 戦時下の村政と村民生活

三 太平洋戦争と村

 昭和一六年一二月八日午前七時、ラジオは臨時ニュースを発表した。「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部、一二月八日午前六時発表。帝国陸海軍は、本八日未明、西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり……」。出勤、登校時に入ってきたこの放送は多くの人々に衝撃を与えた。
 国民の多くは複雑な気持ではあったが、来るべきものがきたという決戦に対する「やるぞ」の気持があった。臨時ニュースは軍艦マーチの前奏に続いてハワイ奇襲作戦、シンガポール爆撃成功の報道が続いた。正午からは米英への宣戦布告の詔書、東条英機首相の談話・矢つぎばやに各地での戦闘状況が放送された。北高根沢村では直ちに村長の「村民に告ぐ」が発表された。
 そこでは村民が自分の職業に身を挺して励み、戦地と銃後が一体となり肉弾になって行動する勇気を持つことを訴えて次のように述べている。
 
  我が国は今や王師堂々世界平和の常明に向って南北太平洋に大行陣を宣布す。我が村民克く凝って百錬の鉄となり、熱しては赤心の坩堝となり、以て御稜威の下、皇謨翼賛の実を挙ぐるる秋なり、各自は深く祖宗の偉業を仰ぎ挺身職域に邁進し、銃前・銃後一体、肉弾となりて万朶の花と散るの大勇猛心を奮起せざる可らず
 
 ラジオからは次々に臨時ニュースが報じられ、人々はこの日一日中かたずをのんで次のニュースを待った。ニュースは海軍航空隊のハワイ真珠湾攻撃を伝え、戦艦二隻轟沈、戦艦、巡洋艦各四隻大破の戦果をあげたことを伝えた。一日に九回のニュースと一一回の臨時ニュース、新聞の号外と人々は感激のるつぼに陥った。国民の間には必勝祈願のため神社参拝が行われた。
 国は宣戦奉告のため国幣社以下、神社において臨時奉幣祭を執行した。北高根沢村でもこれにならい一二月一七日の安住神社をかわきりに奉告祭を行った(表26参照)。学校でも結社内の神社に参拝した。我が国は依然として中国大陸での戦いを続け、それが泥沼化する中での米・英との開戦であったが、緒戦の大戦果は当時の国民の心をわきあがらせた。
 
表26 宣戦奉告祭執行日割
神社名月  日時  間備 考
安住神社12.17午前 9時
神 明 宮12.17午后 0時
星宮神社12.17午后 2時
津島神社12.18午前10時
三 神 社12.18午后 0時
星宮神社12.19午前10時西高谷
星宮神社12.19午后 0時花 岡
白鳥神社12.19午后 2時花 岡
熊野神社12.20午前 9時平 田
神 明 宮12.20午后 0時平 田
星宮神社12.20午后 2時桑 窪
出雲神社12.21午前 9時上柏崎
高尾神社12.21午后 0時中柏崎

上柏崎区有文書より