高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第二章 宝積寺駅の開業と地主制の成立

第二節 宝積寺駅の開業と銀行・会社の設立

四 肥料商を主体とした会社の設立

 一方、運送業においては、内国通運株式会社宝積寺取引店・黒崎運送店・鈴木運送店・小川運送店が営業し、大正四年七月には宝積寺運送合資会社が、資本金六、〇〇〇円をもって設立された。
 また、当時は周辺地域で葉煙草の生産が広く行われており、この加工・製品化のための煙草製造を行う下野産莨製造合資会社が、明治三五年一月に北高根沢村に開業した。同じ年の三月には、同じく北高根沢村において、高根沢精米合資会社が資本金五、〇〇〇円で設立され、精米・製粉が行われた。阿久津村では呉服・太物を扱う㈱大丸屋呉服店が田代為三郎により、大正一二年一月に開店している。製材業としては、一三年一月に中野初太郎により中野製材所が資本金四、〇〇〇円で設立され、独自の製材や賃挽による製材が行われた。
 製糸関係では、熟田村飯室の鈴木今四郎により、明治二九年四月に鈴木製糸所が創業し、生糸生産が行われた。三五年の統計を見ると女工五〇名が従事し、一四歳以上が四八名・一四歳以下が二名で、男子は五名と記されている。賃金は男子一五銭・女子が一二銭であったが、三八年になると女子だけが一五銭に値上がりしている。しかし、この年の男子の人数は変わらないものの、女子は一五名と激減しており、その事情は定かではないが、規模が縮小されている。

図20 鈴木製糸所の従業員の名札(飯室 鈴木俊子家蔵)