高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第一章 明治初期の政治と社会

第四節 天皇巡幸と三新法

二 三新法体制と村々

 村々では村政運営のため村会が開かれ、運営費、衛生費、用水費、道路修繕費などが提出され審議された。ここでは飯室村の村会議案と大谷村村会議総則(史料編Ⅲ・五九頁、四九頁)とを通し村政の内容についてみることにする。
 飯室村では村会費は一六円六〇銭でそのうち、一人一二銭の弁当代、日数一〇日間で九円六〇銭、書記二名の日当四円、諸雑費三円となっている。人民惣代二名は衛生委員、農事試験委員が兼務し、その仕事の報酬は用水の件で押上村へ出掛ける時は一日二〇銭が支給され、人足の監督の時は無給だが、用事で一泊すれば二〇銭を支給すると細かく決めている。衛生費、農事試験費は各三円となっている。小学校費は結社連合会を開いた後でなければ決められないとしながらも、飯室村では公有地六反五畝歩の収入を学費にあてるとしている。
 重要な案件は用悪水費と道路橋梁修繕費の土木関係である。用悪水関係の主体は一の堀用水で、この費用については第二号議案の第一条で「一ノ堀用水掘浚堰普請ノ諸費ハ別ニ積立金及法方等議定書アレバ今茲ニ議セズ」と村予算からは別途扱いになっている。堀浚い等については「一ノ堀浚方及堤防ハ春秋二季、戸毎に出夫シ、其ノ時宜ニヨリ人夫ヲ数組ニ分ケ主宰スル者ヲ置キ総理ス」と定期的な手入れをしている。若し堤防が決潰した時は「村民大小ヲ問ハズ一同駆付堤防ニ尽力スベキ事」となっている。飯室村は一ノ堀の外に井沼川よりの用水路の堀浚いがあったが、例年春に各家ごとに行った。堰普請については東高谷と組合が同じで、この場合「季節ニ臨ミ相談ノ上堰留スルモノトス」と決められていた。
 道路、橋の修繕についてみると、旧二等路黒羽道は文挾村と連合普請のため双方通知して普請に当たることになっている。また、下妻道は鴻ノ山村、亀梨村との三か村普請となっている。村で普請をする橋は、一ノ堀字内屋敷橋、字薬師前橋、字鎮守前橋、字通久保前橋、新堀字桜田橋、字堂免橋の六橋で架橋の際は、材木は共有林より伐出し、人夫は家ごとに出て普請するとなっている。
 大谷村では「組惣代人設置条例」を設け、村内を五組に分け、組ごとに一名を組内の投票によって決め、布告の伝達や道路、橋の修繕など組内に関する事の連絡を負担した。また、「雑費収支規則」には、草川用水の取水口堀浚人夫賃、村内用水堀浚堰修繕費、道路、橋修繕などの水利・土木関係の費用負担方法が決められている。その他に鎮守掃除賃金年一円五〇銭や村の祭典費年五円を戸数に平等に賦課すること、また、神武天皇遥拝式事務負担は各組輪番で、当番組は一戸糯米五合以上、一升以下を目的とし糯を備えて神前に供するといった村の伝統的宗教行事についても村会で決めていた。