高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第一章 明治初期の政治と社会

第三節 地租改正と村々の生活の変化

一 壬申地券の交付

 第三は社寺の所有地の扱いである。社寺有地は社寺の維持・管理や祭礼の経費の助けとして、村の生活と深く結びついていた。ところが、明治三年末に太政官が「現境内を除き」上地(官へ没収)することを決めて調査を行い、四年五月に境外地の田畑、山林、不毛地の上地を実施した。中阿久津村でも村社皇宮神社境内五反七畝のうち三反一畝歩が境外上地、天王社境内三畝歩のうち一畝一五歩が境外地として上地されている(石末 加藤岩夫家文書)。文挾村では上地された土地の全部が民有地となり、伏久村では広林寺の田・境内は民有地に、菩薩院付属地は官有地となった。
 町域の他の村々でも表21に示したように、社寺所有地のうち境外地とされた土地は上地され官有地になった。しかし、明治四三年五月に上高根沢の安住神社の上地境外地は競売で落札した同村の阿久津金次郎に払い下げられた(上高根沢大字総代引継文書)。このように、時期の早い遅いはあっても同じ村の氏子の住民や元持主の寺社に払い下げられた例はかなりあった。だが、下柏崎の琴平神社のように公有地になった例は少ない。また明治四年廃寺となった中阿久津村の花蔵寺では、住職が帰農して、寺有地(田畑三町二反三畝余歩、屋敷、平林、荒地計五町一反八畝二四歩)に民有地の地券をうけている(石末 加藤岩夫家文書)。
 
表21 社寺境外地上地の例(三大区一小区 明治9年調)
 上柏崎出雲神社境外上地 1反6畝歩
 中柏崎大杉神社境外上地 9畝29歩
    境  内 3畝24歩
 下柏崎愛宕社境外上地 官林2反1畝24歩
   境  内 6畝13歩(無税地)
琴平神社境 内 166坪( 〃 )
    境 外 公有地
 桑窪星の宮境外上地 4反2畝14歩
   境  内 1反5畝歩( 〃 )
雷電宮境外上地 6畝歩
   境  内 1反1畝歩( 〃 )
雷神社境外上地 6畝14歩
大安寺境外上地 1反9畝9歩(有税地)
 亀梨星 宮境外上地 1反歩
 平田熊野社境  内 1反1畝13歩(無税地)
真正寺廃寺 畑 1反1畝24歩
 寺渡戸旧星宮社地上地 3畝9歩(字坪之内)
  〃  〃 5畝6歩(字小林)
東 延 寺境内 1反4畝2歩(無税地)
 栗ケ島神 明 社境内 1反4畝7歩 (上地林は官有林)
 上高根沢浄正寺跡 上地 1反5畝1歩

下柏崎 鈴木康之家文書より作成