高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅱ

第一章 明治初期の政治と社会

第一節 維新期の高根沢

二 県の成立と村々

 戊辰戦争で幕府軍を破った維新政府は、複雑に入り組んだ幕藩制下の村落支配を崩し、中央集権化を推進していった。
 下野国内で政府軍と幕府軍との対立がまだ決着をみない六月三日、新政府は鎮撫府を古河から宇都宮へと移した。戦火拡大に伴い支配下に治めた領内には新たな支配が展開されていった。領地統治の関係から鎮撫府が宇都宮から下野の中央に位置する石橋宿に移されたのは八月一九日で、そこに「下野国知県事」が置かれ佐賀藩の鍋島道太郎がその任についた。彼は九月一日に旧日光奉行所に入り、ここを本陣にし石橋役所に出張所を設けた。明治二年二月一五日には日光県がおかれた。高根沢町領域で日光県に属した村々は旗本領及び天領(幕府直轄領)の平田、下柏崎の一部、西高谷、前高谷、上柏崎、飯室、関俣、亀梨、栗ケ島、太田、寺渡戸、中柏崎の一二村、外に一橋領の上高根沢、桑窪の二村、喜連川藩領の文挾、伏久の二村である。宇都宮藩領は宝積寺、石末、上阿久津、中阿久津、大谷の五か村で他に佐倉藩の飛地が下柏崎の一部にあった。
 明治四年の廃藩置県までは、日光県、宇都宮藩によって支配されていた。全国的に統一が進む過程で政府は「人民告諭大意」を町村に配り、天皇への忠誠を通して民衆支配を図った。各村々には「村役人心得条目」を配り、村内の和睦を述べ、戸籍、水利、人馬継立てなど細事にいたるまで示した。戊辰戦争以降の社会不安と凶作つづきの状況下で日光県は明治三年に凶年に対し穀物の備えをするよう村々に達しを出し、備蓄穀物を腐敗させないよう村役人はせいぜい心するようにと連絡している。亀梨村の名主鈴木孫平は明治四年の積立高が籾一〇石二斗、稗三石であることを県に通知している。歩み出した新政府は地方行政単位の県を通して政治の安定に努力していた。
 
表1 旧村の支配と旧高旧県名
旧村名旧領名旧高旧県名
 平田村
 下柏崎村
 下柏崎村
 上高根沢村
 桑窪村
 宝積寺村
 石末村
 西高谷村
 上阿久津村
 中阿久津村
 前高谷村
 前高谷村
 大谷村
 上柏崎村
 飯室村
 関俣村
 亀梨村
 文挾村
 伏久村
 栗ケ島村
 太田村
 寺渡戸村
 中柏崎村
 本多駒之助知行
 佐倉藩領分
 福原子之吉知行
 一橋従二位領分
 一橋従二位領分
 宇都宮藩領
 宇都宮藩領
 本多駒之助知行
 宇都宮藩領
 宇都宮藩領
 山内源七郎支配所
 本多駒之助知行
 宇都宮藩領
 本多駒之助知行
 山内源七郎支配所
 山内源七郎支配所
 本多駒之助知行
 足利従五位知行
 足利従五位知行
 山内源七郎支配所
 山内源七郎支配所
 山内源七郎支配所
 伊沢刀之助知行
  699,3720
  45,4773
  182,1901
 1432,5852
  585,0120
  826,5530
  799,3310
  154,0475
  739,7856
  520,8030
  36,6831
 763,2425
 208,5885
 292,4030
 639,9048
 243,4690
 177,2245
 242,5385
 605,0320
 462,7360
 218,0400
 169,9630
 日光県
 佐倉県
 日光県
 日光県
 日光県
 宇都宮県
 宇都宮県
 日光県
 宇都宮県
 宇都宮県
 日光県
 日光県
 宇都宮県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県
 日光県

『旧高旧領取調帳』により作成