高根沢町図書館/高根沢町史ほか

高根沢町史 通史編Ⅰ

第一編 自然

第二章 高根沢町の風土

第三節 動物と植物

二 植物

(一)植物分布の特性

 北方系の植物は北の温帯地帯から南下してきた植物で、南方系植物の反対と考えてよい。
 年平均気温一三度線のすぐ南側に位置する高根沢町は暖帯の最北限、温帯側からは最南限付近になり、南方系北方系植物の混在地帯にあたる。北方系植物の主なものをあげると

19図 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)

「ゼンテイカ」ユリ科の植物で、「ニッコウキスゲ」の別名の方が一般に知られている。田植の終った六月上旬、林縁や水田の畔に群生する。大きい黄色い花は遠くからも目立ち鮮緑色の草の中に浮きあがって美しい。姿や形の似ている花が町内にその他二種類ある。そのひとつは「ノカンゾウ」七月頃より咲き始める。花は黄だいだい色で、花の内側に濃赤紫色で「八」の字のような斑がはいる。もう一種は「ヤブカンゾウ」で七月下旬頃より咲き始める。花色はノカンゾウより赤味が強く八重咲の花で前二者よりがっちりした感じの草姿である。三種類とも同じような所に自生していた。「ゼンテイカ」(ニッコウキスゲ)は日光市霧降高原の群落が有名である。
「オシダ」オシダ科の豪壮な大形シダで数株みることができた。県中央部付近より南になると極端に少なくなるが県北部山岳地帯では、このシダが山の斜面全面を覆いつくしている所もあり壮観である。
「エゾタンポポ」キク科。「セイヨウタンポポ」と混生していた。総苞片が反曲せず苞の小角突起があまり目立たないもので少なくなりつつある種類である。その他にトリアシショウマ、アスナロ、サカゲイノデなどもみられた。