壬生町/地域史料デジタルアーカイブ

しもつけのはにわ人たち

3.しもつけのはにわ人

27.笑う男
鹿沼市深津愛宕塚古墳
現存高:21.5cm

 
28.男子頭部(農夫)
鹿沼市狼塚古墳
現存高:17.5cm

 
29.男子頭部(農夫)
鹿沼市狼塚古墳
現存高:14.7cm

 
 男子の埴輪は種類が多い。代表的なものには武人像をはじめ、盛装の人、農夫などがみられる。その表現方法は、直立像が多いが、中には坐ったり、ひざまづく像もある。足の表現も2本の足を省略して、1本の円筒にしてしまったものもみられる。服装は衣(ころも)と袴(はかま)を着用し、頭髪は美豆良(みずら)である。
 栃木の男子像に眼を転じると、真岡市鶏塚古墳や佐野市中山古墳出土例は、立派な甲胄を着用しており、上級の武人であったと思われる。壬生町大字安塚出土例は、帽子をかぶり腰に太刀を下げ、腕に籠手(こて)をさしている。それは、葬祭に加わる上層階級の貴人と思われる。農夫は、人物埴輪の中では最も新しく加わった成員である。足利市明神山5号墳から出土した農夫は、腰に鎌をさし、手には馬の手綱を引く様子がうかがわれ、馬を飼う人を表わしたとみられる。
 
 
 
30.烏帽子(えぼし)をかぶる男(市指定文化財)
小山市絹4号墳
現存高:11.4cm

 
31.頭巾帽(ずきん)をかぶる男
足利市丸木古墳群
現存高:14.5cm

 
■かぶりものをしている人物
 男子像埴輪の頭部を飾る「かぶりもの」の種類は多く、それが時代や地域の風俗習慣にもとづいたもので、同時に当時の身分階層を現わしている。なお、「かぶりもの」を着けたものはすべて男子であり、女子はひたいに櫛を差すかあるいは鉢巻きを巻く程度で、被物はつけない。「かぶりもの」には冠の範疇(はんちゅう)に入るものと、帽子の範疇に入るものに大別できる。本県例はすべて後者に属し、壬生町大字安塚出土例や佐野市唐沢山ゴルフ場ハニワ窯跡例のように、つばつきの帽子をかぶったものをはじめ、烏帽子(えぼし)・頭巾(ずきん)帽(喪帽(もぼう)?)などの例がある。これらは豪族社会の構成員として主要な人物を表現したものだろうか。
 
 
 
32.帽子をかぶる男
佐野市唐沢山ゴルフ場ハニワ窯跡
現存高:24.0cm

■唐沢山ゴルフ場ハニワ窯跡
 佐野市富士町唐沢山ゴルフ場に所在する埴輪窯跡群。現在までに12基の地下式無階無段登窯が発掘調査されている。これらの窯による生産品は、どこへ供給されたものであろうかが問題であるが、佐野周辺の古墳への供給とのみはいえることであろう。焼成品目は、円筒埴輪を主体とし、鞆(とも)・靭(ゆき)・盾(たて)・矛(ほこ)・大刀(たち)・翳(さしば)などの器財、人物、動物など多種多様の埴輪が製作されている。