常総市/デジタルミュージアム

石下町史

第四編 近現代

第三章 大正期の石下地方

第四節 村の自治組織と家族・親族

家と家の系譜的なつながりの基本となるのがホンタク、シンタクと呼ばれる本分家関係である。シンタクという場合は、一般に二、三男が独立し家を持つことをいうが、この際の財産分与などの有無は家によって異なる。またシンタクと同様に、新たに家が創設される機会としてインキョがある。これは親夫婦がソウリョウ夫婦に家の権利を譲渡し、いくらかの田畑を持って、未婚の子女を連れて新たに家を構えるといったいわゆる隠居分家のことをいう。こうしたシンタク、インキョといった関係は屋号においてもみられ、前者が本分家の意識が強くあらわれるのに対し、後者は時代的にも古い事例が多く、本分家の意識も希薄となっている。
 そして、こうした系譜的なつながりを持つ家々はイチマキ、イチマケと呼ばれ、葬式や婚礼などのハレの場面において重要な役割を担ってきた。またイチマキの中での家々の関係をみると、ホンタクだけが特別に扱われるということはなく、古い分家となればホンタクとの格差はみられない。
 家々のつながりには、こうした系譜的関係の他に、婚姻によって生ずるシンセキ関係がある。シンセキは家と家との関係というより個人と家といった関係であるために、世代が替わることによって、つきあいの関係も変ってくる。しかし、シンセキの中でも同じムラ内に住むムラシンセキと呼ばれる家は特別で、イチマケの家と同じく半永久的なつきあい関係を持っているのである。
 ムラシンセキのつきあいは、婚礼の相伴役、葬儀における義理受けの他、屋根替えや家の建て直し、急病、葬式の沙汰または葬儀の際の米を入れたホカイ(行器)の贈答、さらには田植えや稲刈りの時のユイ(結)に至るまで、生活の様々な場面にあらわれるのである。