常総市/デジタルミュージアム

石下町史

第四編 近現代

第二章 新しい石下地方の発展

第一節 町村制下の石下地方

明治期後半から大正期にかけての当地方の町村について、町・村政の状況や住民生活の様子を知る史料が残っていないので、その詳細を知ることはできない。しかし明治四十年頃の石下町と岡田村について、「いはらき」新聞にその近況が報ぜられているから、その記事を紹介しよう。当時の当地方の様子を推測することができるであろう。
 
   結城郡石下町近況
  役場は町長新井球三郎氏(県会議員)、助役飯塚静氏、収入役斎藤平兵衛氏、書記高橋藤三郎氏等何れも皆
  其職に精励し、評判頗る善し、殊に飯塚助役は昨年の新任なるにも拘はらず、能く事務に通達して町長を
  補佐せし故、町治成蹟の見る可き者多し。
  △部長派出所の部長平野氏は、温順誠実なるを以て気受け大に好く、又駐在所杉山巡査も平野氏と並び称
  せられ、事務勤励なり。
  △郵便局長野村氏は、創設以来引続き在勤せるを以て、事務に精通せり。
  △尋常小学校長中川政之助氏は、町の先輩として教育に熟達せるのみならず、又世才に長ぜるを以て人望
  頗る高し、其の他荻野、金井訓導らも能く生徒を統卒するが故、町内に重ぜらる。高等小学校は石下外二
  ケ村組合にして、校長古茂田敬太郎氏、次席山田福三郎氏何れも生徒の気受け善く之に次ぎ、幕田、高橋、
  増田、岡本、荒川、小口諸氏好評さくさくたり。
  △石下銀行は積立金十五万円にて頭取新井重左衛門氏、取締役黒川、増田、中山、山中諸氏能く行務を処
  理せり
  △耕地整理事務所は同町興正寺内に設け、石下町外三ケ村より成立ち委員長新井氏始め、一同協力して能
  く熱心に努力するを以て、追々進行しつつあり(明治四十年二月二日付)
 
  結城郡岡田村
  結城郡岡田村は従来村治円満を欠きおりしが、今回斎藤小三郎、石塚芳松両氏新たに村会議員となりてよ
  り、大に役場の改革を行いたる結果、事務整理して人民は大に喜びおれり、殊に同村は伝染病に関する県
  の諭告を印刷して各戸に配布したれば、一般人民は祇園祭等にも食物の調理に注意し、宵越の食物などは
  食せざる様注意しおれり、又尋常小学校中島校長熱心に教鞭をとり、生徒に親切なるより部下教員も随っ
  て勉励し、父兄の信用厚し為めに今回学校新築問題起り、目下協議中なるも是又新築せらるこゝとならん
  (明治四十年七月二十九日付)
 

Ⅱ-3図 岡田村役場(瀬高和夫氏提供)