常総市/デジタルミュージアム

石下町史

第一編 原始・古代

第五章 奈良・平安時代

第一節 律令制の成立

下総国は、『和名抄』国郡部によると、葛餝郡、千葉郡、印幡郡、迊瑳郡、相馬郡、猨島郡、結城郡、岡田郡(延喜四年に豊田郡と改称)、海上郡、香取郡、埴生郡の一一郡、九一郷からなっている(Ⅴ-1表)。これらの郡のうち、葛餝郡・相馬郡の一部と猨島郡・結城郡・岡田郡のほぼ全域が、現茨城県域に属すると考えられる。このうち、石下町域にかかわるのは、岡田郡である。郡の役所である郡家(郡衙)については、その所在地は明らかでないが、郡名と同一名称を冠する岡田郷内に置かれたものと推定される。
 岡田郷について、『下総旧事考』は「今本郷村アリ。是ナルベシ」として本郷村(現結城郡八千代町)付近に比定しているが、『日本地理志料』は式内社に比定される桑原神社(現石下町国生)周辺と推定しており、石下町域は岡田郷に属していたものと推定される。郡家の近くには、郡の寺が建立されているが、これについても明らかにされていない。しかし、石下町の鴻野山字郷ノ上と蔵持字塩田窪から、古代の瓦が発見されており注目される。
 
Ⅴ-1表 下総国の郡郷一覧(『和名類聚抄』より)
郡 名郷             名
葛 餝度毛・八島・新居・桑原・栗原・豊島・余戸・駅家
千 葉千葉・山家・池田・三枝・糟〓・山梨・物部
印 幡八代・印幡・言美・三宅・長隈・鳥矢・吉高・船穂・日理・村神・余戸
迊 瑳野田・長尾・辛川・千俣・山上・幡間・石室・迊瑳・須賀・大田・日部・玉作・田部・珠浦・原・栗原・茨城・中村
相 馬大井・相馬・布佐・古溝・意部・余戸
猨 島塔陁・八侯・高根・石井・葦浦・色益・余戸
結 城茂治・高橋・結城・小埇・余戸
岡 田
(豊田)
岡田・飯猪・手向・大方
海 上大倉・城上・麻続・布方・軽部・神代・編玉・小野・石田・石井・橘川・横根・三前・三宅・舩木
香 取大槻・香取・小川・健田・礒田・訳草
埴 生玉作・山方・麻佐・酢取