常総市/デジタルミュージアム

水海道市史 上/下

水海道市史 下巻

第六編 水海道の近現代資料

教育・文化

 当集会所は豊田岡田両郡南部の教員より成立ちたるものにして、両郡は本県中最も教育開達の地なりしが教員及び郡長並びに学務担任郡吏の更迭数々なりしを以て遂に衰微の色を呈しせしが去る十六年小野田氏水海道小学校に職を奉じ、渡辺武助氏、小口貞吉氏、当地に来られしにより同心協力して衰頽挽回に力を尽し先ず第一に教育の振起を計るには教育集会所を盛ならしむるに若かずとて当集会所の規則等を改正し、水海道駅の秋場桂園氏を聘し経書の講義を催し徳育の一助たらしめ、続いて生徒試験法を改良し稍々振起の勢をなせり、昨年末、小野田氏水海道の学校を辞し、渡辺氏後任となりたれば、小口氏等益々教育の振興を図らんとて、尚又教育集会所の規則を改正し、経書の講義を廃し授業法の演習を始め、且つ本県内に施行せる試験法は心性開発主義の教育には適せざるを以て改正を加え、県令の認可を経て施行せんとて、已に草案委員を撰び、起草に取り掛りいるよし、又本県年々開会する教育会は地方より会員として出席するものは郡吏学務委員教員なるが、郡吏学務委員には教科書の適否その他学校教育の事に付ては不案内にして会員たるの本分を尽すこと難しきものゝ如くなれば夫れ等の弊を矯めん為に爾後は当集会所会日には必ず郡長郡吏にも臨席ありたしと上申せしという。
                       〔『茨城教育協会雑誌』一四号 明治一八年四月一二日〕