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水海道市史 上/下

水海道市史 下巻

第六編 水海道の近現代資料

政治・社会

   全村教育要項
             結城郡五箇村全村更生会
      目次
 一、村勢調査
  (1)村勢一班
    戸数、土地、重要物産、最近十ケ年五箇小学校ソノ他経費一覧表
  (2)教育……一般教化事業
   (イ)小学校
   (ロ)青年学校
   (ハ)読書傾向
   (ニ)教化団体
   (ホ)公共生活……農家組合
  附
   更生計画ノ大綱
    (1)生産部  (2)社会部
   社会部実行計画
    (イ)精神作興ニ関スル事項 (ロ)生産改善ニ関スル事項
 二、一般について
  (1)経済更生指定村に於ける全村教育の位置
  (2)本村全村教育の組織及事業表解
  (3)全体教育努力事項
  (4)経営上の留意点
  (5)本年度実行事項要約
  (6)全村更生会経費
  (7)全村教育一ケ年間の効果
 三、小学校
  (1)ことわり
  (2)計画樹立(系統案)
  (3)経過と反省
  (4)参考品
  (5)反響のいろいろ
  (6)今後の動向
 四、戸主会
  (1)組織
  (2)事業の大要
  (3)部落懇談会
 五、主婦会
  (1)組織
  (2)事業の大要
  (3)部落懇談会
  (4)主婦会、戸主会の反省
 六、男女青年団
  (1)男子青年団
  (2)女子青年団
   一般に就て
    経済更生指定町村に於ける全村教育の位置
 経済更生指定町村に於て全村教育は如何なる位置を持つべきか之は私達が仕事を進める上に先ず決定してかゝらねばならぬ事の一である。
全村教育は之を解釈しように依って次の三になると思う。
1 全村教育を広義に解して村として為すべき各般の施設の上にこの機関を置き、各施設の運営を完全ならしめんとするもの (社会教育課案?)
2 之を狭義に解して農村の疲弊を先ず経済方面より恢復せしめんとする産業施設の援助的機関と見るもの (農村課、蚕糸課業?)
3 教育関係者が兎もすれば立籠り勝な〝象牙の塔(がっこう)〟を出て〝社会〟真中に進出し、各種の機関と緊密な連絡提携の下に活動することによって村の全面的な更生を図るもの而して右の中いずれに依るべきやは自由と思うが吾が村の現在の状勢より本年度は主として(3)によることゝなったのである。
 

本村全村教育の組織及事業表解

本表中教化部の仕事が主として全村教育にあたるのである。
    全村教育努力事項
第一年 基礎調査と計画の樹立(九年度)
(1) 委員会の創設と生産消費、其の他各般の基礎調査
(2) 更生計画の立案と実機関として農家組合組織
第二年 趣旨の徹底と実行への着手(十年度)
(1) 趣旨の徹底
   戸主会、主婦会の創設と部落懇談会の開催
   村報の発行、小学校児童の参加
(2) 教化施設の振興
   少年赤十字団組織、男女青年団の振興、青年学校の振興
(3) 実行への着手
第三年 実行への強化徹底
(1) 生活改善事項の徹底
   葬祭の改善、台所の改善、貯金の奨励
(2) 各施設運営の自主化
    経営上の留意点
 (1) 計画を少くして徹底を期す。
 (2) 一歩一歩進んで不断の進展を期す。
 (3) 常に大所高所の観点に立って実行の反省を期す。
 
    本年度実行事項要約
(1)委員会の開催
  委員三十四名(農家組合長一四、学務委員二、常設委員四、青年会一、小学校二、青年学校一、分会一、農会二、村会五、有志二)
  年度内数回以上開催実行計画の協議反省等をなす
(2)戸主会、主婦会の創設と部落懇談会の開催
  各農家組合(十四)を一単位とする戸主会及主婦会を開き更生運動の趣旨徹底、精神作興、生活改善事項の指導、協議等をなす、各組合二、三回
(3)男女青年団の動員
  男女青年団の事業を指導して更生運動に参加せしむ
                     (事業別項)
(4)少年赤十字団の創設
  小学児童をして本運動に参加せしむる為に少年赤十字団創設し各種の事業に参加せしむ
(5)時計病院設置
  小学校に時計病院を設け殆んど無料にて主に柱時計掛時計の修理をなす。
(6)村内無料郵便開設
  小学校に村内無料郵便局を特設し少年赤十字団員が責任を以て村内より村内への郵便物を配達する。
(7)更生室の設置
  小学校舎の一部に更生室を設け各種統計及更生計画の表解及廃物利用製作品等を展覧して趣旨の普及につとむ。
(8)定時励行(9)国旗掲揚 精神作興運動の施設としてこの二事を徹底せしむるため時計調査、国旗調査を二回乃至三回行わしめ時計は〝時計病院〟を設け修理をなし又国旗は共同購入して廉価に若しくは給与して之が徹底を期す。
(10)村報の発行
  毎月発行(六頁)六百部騰写各戸配布
  全村更生事業の趣旨徹底及実の報道、村内ニュース等
 
  全村更生会経費
一、委員手当 一一七円 年手当一人年三円、三十四人此金一〇二円、事務員手当年一五円
二、雑費    九七円 委員会諸費二〇円、消耗品費一〇円、通信費七円、優良更生町村視察費補助三〇円、賄諸雑費三〇円
三、宣伝費   二〇円 村報発行費一五円、其ノ他五円
四、講演会諸費 三六円 会場費一回三円、二回分此金六円、講師謝礼三〇円
五、定期励行奨励ヒ 二〇円
六、発表会費    三〇円 年度末発表会費
七、戸主、主婦会費 五〇円
八、少年団補助   一〇円 少年団創設補助
九、生産部補助  七五〇円 五箇村農会へ指定補助
十、養蚕実行組合 四一〇円 五箇村養蚕実行組合連合会へ補助連合会補助
    計  一、四七〇円
    右に対する県補助金八五二円{全村教育九二円、生産部五〇〇円、養蚕関係二六〇円
 
  全村更生会(教化部)一ケ年の効果
一、村民と教師との親しさが増したこと
二、国旗掲揚、定時励行が徹底したこと(本日は如何)
三、各種会合に出席が良好となったこと(選挙、選粛の成績)
四、男女青年に愛村の気風が旺になりつゝあること
五、児童が勤労を愛好するようになったこと。
六、全村民が村のことに関心を深く持つようになったこと。
七、各種の機関の連絡が緊密になったこと。
八、納税成績が著しく向上したこと。
                      〔「昭和十年度五箇村会々議書類綴」 水海道市役所蔵〕